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ヒラタキクイムシによる虫害と対策 ヒラタキクイムシとは?

ヒラタキクイムシによる虫害とは?

春から夏にかけて新築住宅の木材部分や収納家具などの中で、木材の粉が吹き出ていることがあります。粉の中心部には直径1〜2ミリ程度の丸い穴があいています。これは木材の中から蛹から成虫になったヒラタキクイムシが外に脱出するための穴で、粉は幼虫の時期に食べた木材の食べかすが脱出の際に穴から排出されたものです。また、フローリングの表面でも木粉を見かけることがありますが穴があいていない場合があります。それは、たまたまその上の部分に使用されている天井造作材、建具等の木質建材がヒラタキクイムシの食害を受け、そこから粉が舞い落ちたものと考えられます。

乾いた木材を食べる虫は他にもいますが、被害の発生率が高いのはこのヒラタキクイムシで、木粉を排出し柱上に積もらせるなどの特徴から、英名の“powder-post beetles”は「粉柱虫」を意味しています。

ヒラタキクイムシとはどんな虫?

分布

分布熟帯及び亜熱帯各地と室内では寒帯まで分布する世界的な乾材の大害虫であり、日本では沖繩、小笠原から北海道に至る全土に生息しています。

体の特徴

体の特長1. えさになる木材を食べるのは幼虫で、色は乳白色でやや円筒形をしており、胸部が太く、C字型に腹側に湾曲し、体長は4ミリに達します。

2. 成虫は、赤褐色又は黒褐色の甲虫で、体長は普通6〜7ミリほどです。

生態・・・1年1世代(卵一幼虫一蛸ー成虫)

成虫は普通5〜7月頃に被害材の表面に直径約2ミリの円形の穴をあけ、虫糞と木粉からなる白粉(フラス)を排出して脱出します。成虫発生の最盛期は梅雨時期ですが、冬期暖房された室内ではそれより早くなることがあります。

生態
【産卵】

脱出した成虫は、昼間は脱出してきた穴の中や板の隙間などの暗い所に潜んでいて、夜間現われ交尾します。雌は交尾後、幼虫のえさになる新しい木材の辺材部に産卵管を差し込み、直径0.2ミリ程度で深さ4〜6ミリの導管(樹木の水分や養分を通す管)の内部に卵を産み付けます。

1匹の成虫の産卵数は1回1〜4個ずつ、平均的には全部で50個ぐらいになりますが、それよりも多く産卵するケースもあります。産卵に適した木材の含水率は7%〜30%程度までの乾材で16%前後が最適とされています。

【ふ化一幼虫】(食害期)

卵は10〜20日で幼虫になり、幼虫は初め産卵された導管の中を食べ進み、その後は材中をほぼ繊維方向に不規則な孔道を掘って食害しますが、外部に現れることはありません。成長した幼虫は秋になると材表面近くに出て越冬します。

【蛹(さなぎ)】

幼虫は、翌春、孔道の先端を少し広げて長楕円形の蛹室を作り、後端を虫糞で固め蛹化します。(蛹期は8〜21日)

【成虫】

羽化成虫は、成熟して体が赤褐色になってから材表面に穴を空けて外に脱出します。(一般的には、脱出後10日ぐらいが成虫の寿命といわれています)

日本では普通1年1世代で、通常、被害材の産卵時期は脱出時から逆算して1年前と考えて差し支えありません。